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勝手気ままな映画レビュー

ピエール瀧 保釈

ピエール瀧 保釈

 

コカイン使用の罪状で逮捕されたミュージシャン兼俳優の”ピエール瀧”が、昨日(20196/04/04)保釈されました。

 

約3週間程度の拘留で、保釈金400万円で保釈ということらしい。

拘置所を出てきた彼は、しっかりとした声で謝罪の言葉を述べ、何秒間か深々と頭を下げ続けた。

 

やはり、ファンとしては、こんな彼の姿を見させられることは、とても苦しく、切ない。

 

電気グルーヴ”としての活動は、曲を知っているくらいで、詳しくはありませんが、そのパフォーマンスは、高く評価されていました。

 

ユニットの相方、石野卓球さんの活動はどうなるのだろうか?

ツイッターによる卓球さんの言葉を追ってみると、私見ではありますが、やるせない心情が読み取れます。

ピエール瀧との友人関係を壊すことなく、また、ユニットで音楽活動をやっていきたい気持ちでいるようにも受け取れる。

 

そうなってくれたら、皆うれしいのだろうか?

ホントにどうなるのであろうか?

 

ピエール瀧のプライベートをおもんばかれば、彼の家族は針のむしろ状態ではなかろうか?、そう考えると、彼の罪は重い。

 

個人的には、俳優としての彼が大好きでした。

 

舞台挨拶などで、何度か実際に見たことがあるのですが、ガタイもでかく、凄みのある風情のくせにユーモアあふれる笑顔が似合う、カッコいい俳優のひとりでした。

 

「もったいない」、「バカなことをしやがって」、などと言いたくなりますが、結構若い頃からの常習犯らしいという報道もあるので、軽々に同情的な言葉を述べるのも、よくないのかもしれません。

 

作品に罪はないというが、その通りだと思う。

でも、そう言うだけではすまないのも、現実。

 

間違いや行き過ぎがあったとしても、カルチャーはそういった時代の流れの中で、培われていくものでもあるので、その間違いや行き過ぎを大衆の眼にさらすことの是非の判断は難しい。

 

音楽にしろ、映画やドラマにしろ、エンタテインメントが、一時の高揚やフィクションの世界を楽しみながら、反社会的な実情を礼賛し、扇動するようなことになってはならない。

 

ただし、そういいった現実があるということが、エンタテインメントにリアリティを与え、おもしろくさせているのも事実。

 

でも、やはり、それはフィクションだからこそ許される範疇であり、現実であれば犯罪であり、害悪でしかない。

 

考えれば、考えるほど、エンタテインメントというサブカルチャーは、反社会的な現実に裏打ちされているのも事実なのではないかと思えてくる。

 

殺人や強盗など重犯罪は言語道断、許されるものではない。じゃ、麻薬やコカイン、ドラッグに溺れてしまうのは、そこまで悪いことなのだろうか?

 

裏に暴力団やマフィアなどの反社会的集団活動の資金源になっているとはいえ、ついつい手を出してしまって、抜けられなくなったなんて言い訳が通る場合、同情してしまう人も少なくはないでしょう。

 

いわゆるスターと呼ばれる、影響力の大きい芸能人の犯罪や過失の是非とその程度の判断は難しい。

 

先日亡くなった”ショーケン”こと、萩原健一さんなんて、3度もの逮捕を経ても、俳優としての地位は維持してこれたわけで、”チャゲ&’飛鳥”のASKAさんも覚せい剤所持で逮捕されましたが、音楽活動は再開していますし、”ビートたけし”こと北野武さんも、”フライデー襲撃事件”なんてことをしでかしていながら、NHKのTV番組に出演をしています。

 

時代と共に世の中の倫理観も変わったりするものなので、ドラッグに手を出すという行為は、法律的に犯罪であっても、直接的な被害者はなく、その性悪の程度の判断は世論に流され、人が受ける印象や判断は様々なものになります。

 

そういった行為を断罪しようとする人の意見では、アタマのいい、しっかりした大人だったら、そんな犯罪に手を染めてしまうのも自業自得という言葉で片付けられても、世の中のことをあまり理解しておらす、ものを知らない幼い若者たちに与える悪い影響が大きいことを懸念しています。確かに、そんな影響を受けて、反社会的な活動に身を投じる大人になってしまう人も少なくはないのでしょう。

 

ま、とにかく、俳優としての”ピエール瀧”について、個人的思い入れが強かったので、この事件の経緯から今後の経過、世の中が受けるその影響などについて、気になってしょうがありません。

 

何年かしたら、復帰して、芸能人としてのよいパフォーマンスを見せて欲しい気持ちもありますが、やはり、そんなことは許してはいけないという気持ちもあります。

 

当人の活動に対しての是非がどう転がるかはわかりませんし、これも世論、人の倫理観によって左右されてしまうものですが、既に世に出ている音楽や映像作品については、なんとか、一般大衆の手が全く届かない状態にはしないで欲しいと切に願います。