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勝手気ままな映画レビュー

NHKドラマ10「トクサツガガガ」レビュー

NHKドラマ10「トクサツガガガ」(2019年1月18日~3月1日)


 放送終了してからしばらく経ちますが、最近のTVドラマの中では、ピカイチにおもしろかったので、レビューを書いておきます。

 

・劇中劇の特撮「獅風怒闘ジュウショウワン」

 

 NHKのドラマは相変わらずクオリティが高い、このドラマのどこがクオリティが高いかっていうと、まず、特撮ヒーロー番組をモチーフにしたドラマを公共放送であるNHKが制作/放送するという意外性から、やるならトコトン細かいところまで作り込もうという制作スタッフの意気込みが画面から伝わってくるほどに、ギミックがスゴイ。

 

 劇中劇である架空の特撮ヒーローものTV番組「獅風怒闘ジュウショウワン」の映像は、本当にその番組がどこかの民放TV局で放送されたんじゃないかと信じてしまえる程のクオリティ。

 

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 被りもののヒーロー戦隊や怪人たちの作り込みはすばらしく、きっと、実際にヒーローもの特撮を扱ったことのあるその道のプロが作ったに違いありません。その劇中劇の特撮映像だけでなく、その被リものヒーローを演じる役者人のそれらしさもお見事。


 そして、ほんとに”スゴイな”と思ったのは、劇中劇のくせに、ドラマの中では現実として存在するかのような関連商品のクオリティ、キーホルダーやらおもちゃやら、その商品そのものからパッケージまで、実際に売っているかのようなクオリティ。

 

 すばらしい!

 

・主演の小芝風花さん

 

 主演は、連続ドラマ初主演の小芝風花さん、脇のメインに倉科カナさんと木南晴夏さん、かわいい子役に寺田心くん、ドラマテーマのキーパーソンである主人公の母親役に松下由樹さん、そして、原作と親和性の最も高いと言われる任侠さんこと竹内まなぶさん、等々、皆さんキャラクターに合った配役ですっぽりと納まっています。

 

 小芝風花さんは、先の同枠のNHKドラマ「女子的生活」からの流れでの主役抜擢かと勘ぐっておりますが、もっと売れている同世代の女優さんたちと比べても、そん色ないかわいらしさと演技力を備えています。主役級での映像作品を、もっと観てみたい女優さんです。

 

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・脇の倉科カナさん、木南晴夏さん、松下由樹さん、竹内まなぶさん

 

 最近、プライベートで破局報道のあった倉科カナさんも、映画「あいあい傘」の好演も記憶に新しく、その見た目のキャラクターにあった演技で魅了してくれます。


 逆に、最近、イケメン俳優:玉木宏さんとゴールインした木南晴夏さんは、いつものキャラとはちょっと違って、表面的にクールでとっつきにくい殻を被った役柄を、器用に演じています。

 

 80~90年代はトレンディドラマに引っ張りだこだった松下由樹さんも、もう、お母さん役が似合ってしまうお年頃になってしまいましたが、ちょっとオーバー気味の演技が役柄にしっくりとはまっていました。

 

 そして、「やはり、芸人さんは演技がうまい!」と思わせてくれたのが、お笑いコンビ:”カミナリ”でボケ担当の竹内まなぶさん、その見た目だけで、キャラにはまってしまいましたが、とてもいい味を出してくれていました。

 

・「好きなものは好き!」

 

 ストーリーとしては、女の子のくせに、幼いころから特撮ヒーローものが大好きで、大人になっても、その熱を冷ますことができず、周囲の目を気にしながらも、その情熱を脈々と募らせていくというお話し。


 そのメッセージとしては、女だろうと、男だろうと、LGBTだろうと、さもいけば、子供だろうと、大人だろうと、老人だろうと、どんな立場であっても、「好きなものは好き!」という人間のもつ普遍の感情は、それがどんなにくだらないものでも、どんなに子供じみていようとも、それについて誰に何を言われる筋合いもないのだから、胸を張って生きて行け!というものです。

 

・「人の目を気にする必要はない」

 

 自分の好きなものが他人にわかってもらえない寂しさや、数少ない趣味・嗜好を同じくする者同士の友愛などを丁寧に描いていて、いわゆる昨今で様々な分野で”オタク”と言われる人たちに贈る応援歌となっています。

 

 その趣味・嗜好が原因で、家族や友人との関係性に良くない変化が生じる場合もあるかもしれませんが、別に、その趣味・嗜好が悪いわけではなく、その対象に責任はありませんし、どんな人生を送ろうと、そんな人間関係の問題はあって当然なのですから、人の目を気にするようなことではないと、このドラマは諭してくれています。

 

・ 見逃した方も、ぜひ

 

 ドラマの放映は既に終了しておりますが、今の時代、DVDやらオンデマンドやらで、過去の映像作品でも観ることができる時代ですから、ドラマや映画が好きだけど、この作品は見逃してしまったなんて人は、ぜひ、一度鑑賞していただくことを強くオススメします。

 

・このドラマのメッセージの体現者

 

 趣味・嗜好がマイノリティな分野でも、構うことはありません。貫けば、その先には、自分の望む以上の楽しい世界が広がっていたりします。

 

 蛇足かもしれませんが、このドラマのメッセージを体現している人物として、著名な映画監督の名がアタマに浮かびました。


 日本の特撮オタクだった映画監督:ギレルモ・デル・トロや日本の時代劇オタクだった映画監督:クエンティン・タランティーノは、アカデミー賞カンヌ国際映画祭などで賞を授与されるという世界的な栄誉を受けるほどの人物になれたのです。


 何事も、あきらめずに貫くことが、その強さと成功への糧となっているのでしょう。

 


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